「カイジ人生逆転ゲーム」映画では主人公カイジが借金地獄から逃れるために過酷なゲームに挑戦します。
「エスポワール」という名の豪華客船に乗り込み「限定じゃんけん」から始まり、「鉄骨渡り」最後は悪徳金融会社帝愛グループナンバー2である利根川とのカードゲームに挑みます。
その最後の大勝負「Eカード」での利根川のイカサマについて解説すると同時に結末についても触れてみたいと思います。
(ネタバレありですのでご注意ください)
カイジの新作公開とのことで、第1作目「カイジ 人生逆転ゲーム」を見ました。
原作の面白い部分がちゃんと映画化されている印象で、キャラクターやゲームもいくつか再現されていました。
人生ドン底と各ゲームにおける心理戦を楽しむことができます。
藤原竜也さんと香川照之さんはさすがです。 pic.twitter.com/rNy8SvRGyo
— しろ@料理&ゲーム修行中 (@azarashi0706) January 12, 2020
目次
最後の大勝負「Eカード」
劇中の終盤でカイジは利根川が提案してきた「Eカード」というゲームに挑みます。
<ルール>
- 皇帝側と奴隷側を決める
- 皇帝側は皇帝カード1枚と市民カード4枚、奴隷側には奴隷カード1枚と市民カード4枚が配られる
- 手札から伏せた状態で1枚ずつカードを出す
- 奴隷側から出し勘で出すのを防ぐためカードは必ず見てから出す
- カードの強さは奴隷<市民<皇帝<奴隷
- 皇帝側が有利だがレートは奴隷側が10倍
- 勝負は3回
- ゲームが終わるまでに金が尽きたら地下へ逆戻り
利根川はハンデとして奴隷か皇帝好きな方を選べとカイジに言うが、カイジは迷わず奴隷を選択します。
1回目の勝負でザワザワの中、奴隷のカードを出すカイジであったがあっさりと利根川に読まれてしまい負けてしまうのでした。
そして兵頭から貸付され2回目の勝負に出るがここでも負けてしまい130年の強制労働が決まってしまう…
2回とも惨敗するカイジですが、ここで注意したいのが利根川の視線…
利根川は皇帝側で後からカードを出します。ということは相手の表情を見てからカードを出すことができるのにも関わらず、一切カイジの表情を見ません。
そこがまさに利根川がイカサマしている核心部分です。
「カイジ 人生逆転ゲーム」
内容ももちろんのこと良いが、藤原竜也の演技がめちゃめちゃ好き。香川照之とEカードしてる場面なんか特に好き。10日放映のカイジファイナルゲームが楽しみです。 pic.twitter.com/4H7NZvcBHU— t.a.【ただの映画レビュー】 (@eyeseyesblo) January 6, 2020
利根川のイカサマの手口を解説
カイジの表情を一切見ない利根川の視線は何を見ていたのか…?
それは左腕にはめられた時計でした。
利根川はゲーム中、ずっと時計に目を向けていたのです。
その理由は地下施設に行く前にカイジの肩に埋め込まれたマイクロチップ。
そのマイクロチップから脈拍のデータを受信し、カイジの心拍数を観測することによってカードを割り出していたのでした。
「今はっきりと聞こえた…来い!皇帝!と…」と利根川が言い放つ表情が印象的でしたね。
カイジがイカサマに気付いた理由
勝負に負けて地下施設に連行されるカイジにぬぐえない違和感が襲います。
もしやイカサマ?と疑いつつも
- カードに不正の余地はなかった
- 自分の後ろには人も監視カメラもなかった
ということからカイジは勝負を振り返り考えます。
- 唯一カードを見ていたのは俺自身
- 利根川が見ていたのは自分の腕時計
- 5014号室では別の時計をしていたのに時計を変えている
- 強制施設に送られる前に埋め込まれたマイクロチップ
マイクロチップによって動きを読まれていたことに気付いたカイジはあまりの悔しさに「汚ねぇ…奴ら汚ねぇ…ちくしょう!」と嘆くのでした。
結末はどうなったのかをネタバレ
イカサマなしの真剣勝負
イカサマに気付いたカイジは連行される途中にトイレを要求しそこで考えを巡らせます。
そこで様子を見に来た遠藤に5000万円もの大金を借りることに成功。再び利根川に勝負を挑みます。
部屋に入ったカイジは
「間の抜けた顔してやがる…こんなんだからいつまでもダメなんだよな…俺はよぉ!」
と鏡に頭を打ち付け額から血を流すのです。
出血のせいで時計は使い物にならなくなり利根川にイカサマは通用しなくなります。
利根川にとってもイカサマなしの真剣勝負。お互いが駆け引きをする表情が見ていてハラハラした場面でした。
カイジの戦略
ゲームに挑んだカイジは「俺は生きている!生きてるんだよ!」と立ち上がり机の上の市民と奴隷のカードに血が飛び散ります。
そこから始まる初めての真剣勝負にもたもたと思考を巡らせる利根川に「いつまで時間かけてるんだよ!」と煽るカイジがかっこいい!
1戦目は市民VS市民で引き分け。
2戦目でカイジが出したカードに血がついていることに気付く利根川。
市民か奴隷かのどちらかだとふんだ利根川は市民を出すがカイジのカードも市民で引き分け。
そこで次に血がついたカードが出れば「奴隷」だと考える利根川。
3戦目にカイジが出したカードに血はついていない。市民だとふみ、皇帝のカードに手をかける利根川だが奴隷のカードに血がついている確証はないと焦る。
結局市民を出し今度も引き分け。
そして最終戦。
血がついたカードを出すカイジ。
「来た!血だ!奴隷だ!」と市民を出しかける利根川。
そこでまたもや考える利根川。
- 奴が血に気付かないはずがない
- カードに手をかけた時に奴隷と市民をすり替えた
- これは船での限定じゃんけんの時と同じ戦略
- つまりこのカードは市民
と皇帝のカードを出す。
最終結果は
「奴隷VS皇帝」
でカイジの勝利!
カイジは利根川の洞察の裏をかきカードをすり替えなかったのである。
カイジが手にした金は?
敗北した利根川は地下施設に送られカイジは現金5億を手に入れ晴れて借金はなくなります。
ところが実際カイジに残ったお金は435910円。
勝利を収め自由になったカイジと遠藤が屋形船で祝杯をあげますが、遠藤が入れた睡眠薬入りのビールを飲んだカイジは眠ってしまいます。
目を覚ました時には遠藤の姿はなく胸ポケットに手紙が…
そこには5000万円の利子と車の修理代を差し引いた435910円があなたの取り分だと記されていたのでした。
最後のカイジ
数日後、パチンコ店で働く石田の娘に封筒が届きます。そこには435910円と父親名義の金券が入っていました。
鉄骨渡りで死んでいった石田との約束を忘れていなかったカイジ。
金額は少なくても約束を果たしたカイジは娘にちゃんと封筒が届いたことを見届け街に消えていくのでした。
街のスクリーンから流れる帝愛グループのCMを背に歩くカイジ。
その背中からはいろいろなものが語られている気がしました。
まとめ
利根川のイカサマとカイジの戦略後の結末は見ていてハラハラする場面でしたね。利根川とカイジの「Eカード」対決はほんとうに見ごたえがありました。
あのシーンは10日間もかけて撮影されたそうです。迫真の演技に目が釘付けでした!
最後までお読みいただきありがとうございました。