「ハウルの動く城」でのヒロイン・ソフィー。
荒地の魔女によって呪いをかけられ老婆の姿に変えられてしまいます。
物語のラストでその呪いは解けているように思われましたが、解けたわけではないのでは?と思われる部分を考察していきます。
そしてソフィーは作中で若返ったり老けたりを繰り返しますが、その理由についてもお届けします。
※この記事にはネタバレもあります。
目次
「ハウルの動く城」ソフィーの呪いとは
父親が遺した帽子屋で働くソフィーはまだ若い娘であるにも関わらず、人生をあきらめおばあさんのように老け込んだ気持ちになっていました。
妹のレティーは美人でおしゃれで活発。
街のマドンナ的存在でもあるレティーは、長女という固定観念から帽子店を継ぐ事に囚われているソフィーを心配し、自分のことは自分で決めるように促します。
本当は帽子屋をしたいわけではないソフィーでしたが、あきらめた心は蘇りそうにありませんでした。
暗い気持ちで家に変えると、いきなり荒地の魔女が手下を引き連れて現れソフィーに呪いをかけ90歳のおばあさんにしてしまいます。
18歳のソフィーがしわくちゃのおばあさんになってしまったのです。
そんな呪いにかかったソフィーですが、いつ呪いが解けたのかわかりにくかったと思います。
それは、そもそも呪いは解けていないからなのでは?と思いました。
ソフィーの呪いは解けてない?
では、ソフィーの呪いがなぜ解けていないのか考察したいと思います。
ラストシーンでソフィーの髪の色は銀髪
物語のラストでハウルと結ばれるであろうことが予測される二人が城でキスをするシーン。
ソフィーの容姿は完全に若返っていますが、髪の色だけ銀髪なんですよね。
呪いにかかる前のソフィーの髪の色はしっかりとした栗色です。
荒地の魔女に老婆にされてから髪の色が変わったのですが、呪いが解けたなら髪の色ももとに戻るはずですよね。
なぜ、ソフィーの髪が銀髪のままなのかを考えると呪いは解けていないと考えてもいいのではないでしょうか。
ではどうして呪いは解けていないと考えられるのでしょうか。
老婆になったわけではない
それは、ソフィーは老婆になってしまったわけではないと思われるからです。
呪いで老婆になってしまったのならソフィーは大きく驚くと思うのですが、あまり驚く様子もなく「落ち着かなきゃ」と受け入れるんですね。
本当なら嘆き悲しむところですが、なぜソフィーは驚かなかったのか不思議に思った場面でした。
そして帽子屋にはいられないと呪いを解くために旅に出ます。
ソフィーがあまり驚かなかったのは、その老婆の姿が今の自分の気持の表れだと知っていたからではないでしょうか。
荒地の魔女がかけた呪いは、ソフィーを永遠に老婆にするものではなくソフィーの心が容姿に現れるというものだと思われます。
その証拠に、作中ではフィーの容姿が若返ったり老けたりを繰り返します。
ソフィーが若返る・老ける理由とシーンについて
上記でも言いましたが、ソフィーが若返ったり老けたりする理由は、ソフィーの心が容姿に現れているからでした。
つまりソフィーの気持ちの年齢が若いと外見も若い、反対にソフィーの気持ちの年齢が老けていると見た目の年齢も老けるというものです。
では、ソフィーが若返ったり老けたりするシーンからソフィーの気持ちをみていきましょう。
ソフィーが王国の城でサリマンに反論した時
ハウルの代わりにハウルの母として王国のサリマンのもとを訪れたソフィー。
サリマンにハウルのことを悪く言われ思わず反論したソフィーはみるみる若返ります。
あのときのソフィーはまさにハウルに恋する乙女です。
恋する感情は若い女の子そのもの。
なのでソフィーの容姿は若くなりました。
ところがサリマンに「お母さん、ハウルに恋してるのね」と言われまた老人の姿に戻ってしまいます。
ソフィーはサリマンに図星を突かれて恥ずかしくなったのでしょう。
それと同時に若い気持ちを引っ込めてしまったので、また老人の姿に戻ってしまいました。
王国から逃げて帰り寝ているソフィー
ハウルとともに王国から逃げたソフィーは、マルクルが迎えに来てくれ無事にハウルの城にたどり着きました。
そこで眠っているソフィーは若い姿でした。
このときのソフィーがしばらく若いままなのは夢の中の感情が表れているからです。
夢の中でソフィーはハウルのことを助けたいと言い、はっきりとハウルに「愛している」と言います。
かなり積極的なソフィーの姿は若い女性の感情が表れていました。
ところが、ハウルに拒絶されたような形になってしまい、また感情を引っ込めたソフィーは目覚めたときは老人の姿に戻ってしまいました。
ハウルの城を引っ越した時
サリマンに見つからないようにハウルが城を引っ越し、部屋をプレゼントされたソフィーは嬉しくてかなり若返りました。
ところが、ハウルからの
「どう?気に入った?」
の質問に素直になれないソフィーはまた気持ちを押し込んでしまい、
「そうね、掃除婦にはピッタリの部屋ね」
と答えて再び老けてしまいます。
持ち前のソフィーの性格が、素直に喜べなかったのかもしれませんね。
ハウルに花が咲く庭をプレゼントされた時
そしてハウルに花が咲き乱れる庭もプレゼントされたソフィーは、かなり嬉しかったのでしょう。
気持ちも若返り、髪の色以外はもとの姿に戻っています。
ハウルに手を引かれるソフィーは恋する若い女性になっています。
ところがまた気持ちを引っ込めてしまうソフィー。
「綺麗じゃないし掃除くらいしかできないし…」
と言うソフィーにハウルは
「ソフィーは綺麗だよ!」
と言ってくれます。
なのにまた素直になれないソフィーは
「年寄のいいとこは無くすものが少ないことね」
と気持ちを抑え込んでしまい、一気に老け込んでしまいます。
ソフィーは恋することに臆病なんですね…。
戦争が始まりソフィーが奮闘する時
戦争が始まりサリマンに居場所が見つかってしまい、お店やマルクル、荒地の魔女を守ろうと奮闘するソフィー。
このときのソフィーもかなり若返っています。
皆を守ろうとする気持ちでも若返る事がわかる場面でした。
そして戦うハウルの
「ようやく守らなければならない者ができた。君だ」
の言葉になおさら若返るソフィー。
そう言って再び戦場に出ていったハウルを守ると決意したソフィーは、このときも髪の色以外すっかり若返っていました。
まとめ
ハウルの動く城でソフィーの呪いは解けてないのかと若返ったり老けたりする理由についてお届けしました。
ラストのシーンからソフィーの呪いは解けたわけではないと考察しました。
呪いは永遠に老婆にするものではなく、自分の気持の表れが外見に出るというものだったのですね。
ハウルとハッピーエンドを迎えた時点で髪の色だけもとに戻っていないのは、まだソフィーの中で気持ちを押し殺す部分が残っているという表れなのかもしれません。
これからずっとハウルと一緒にいることで髪の色も元通りになっていくことでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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