映画「パラサイト半地下の家族」の金持ち一家パク家の息子・ダソン。
落ち着きがなくじっとしていられない性格からボーイスカウトに。
そこで習ったことからダソンはモールス信号を理解していました。
ところがダソンは送られてくるモールス信号を無視し何もしませんでした。
今回は、ダソンがモールス信号を無視したのはすべて気付いていた故なのかの疑問を考察します。
目次
ダソンがモールス信号を無視した疑問を考察
パラサイトは貧しい暮らしをするキム家と裕福な生活を送るパク家をうまく対比できていたと思います。
半地下住宅に暮らし、内職でその日の生活費を稼ぐのに精一杯な家族と豪邸に住み、家政婦や運転手がいるIT企業の社長とその家族がまさに光と影。#映画好きと繋がりたい#映画好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/TG04BeF1mf— ⚡️丫卂丂凵下凵从工⚡️ (@ysfm1997529) January 19, 2020
パク家の照明が「ピカピカ」するのは、何者かが送るモールス信号でした。
ダソンがモールス信号を無視する場面
ダソンの誕生日にキャンプに出かけたものの、大雨で引き返したパク一家。
ダソンは家の庭にテントを張り一夜を過ごすのですが、そのテントの中からモールス信号を眺めていました。
そして「た・す・け・・・」と信号を読み解きメモしていたことから、ダソンはモールス信号を理解していたとわかります。
モールス信号の内容から誰かが「助けてほしい」と訴えていることをダソンは理解していたにも関わらず、無視をしたダソンの心情とはどのようなものだったのでしょうか。
触れてはならない領域だと理解していた
ていうか愛の不時着のチョソンの仲良し姉弟
よく見るとパラサイトのお母さんと、モールス信号おじさんやんけwwww特にモールス信号おじさん、全然わからんかった!!
いや〜俳優ってすごいですね・・・全然違う・・・ pic.twitter.com/SZA6kMeaCu
— くりぃむぱい @ダイエットなう (@CreampieGate) June 22, 2020
ダソンはおそらくモールス信号を送ってくる人物が誰か気付いていたと思われます。
ダソンの父であるパク社長は「一線を越える」ことに敏感でした。
運転手のギテクのことを「言葉や態度が一線を超えそうで絶対に越さない。そこがいい。」と言っていました。
ただ「匂い」だけは超えてくると顔をしかめていましたが…
こればかりはどうしようもないと多少は寛大になるパク社長ですが、富裕層と貧困層の一線だけは強固に引いているパク社長。
貧困層の人間が富裕層の人間に対して一線を越えてくることは許さない
と同時に、
富裕層の人間が貧困層の人間に関与することもない
と捉えることができます。
そのような父の姿を見て育ったダソンは、
- これは関与してはならないこと
- 一線を越えることは許されない
と理解していたのではないでしょうか。
つまり触れてはならない領域だとわかっていたと思われます。
それはダソンがモールス信号を送ってくる人間が誰か、そしてすべてのことに気付いていたからです。
ダソンはすべてに気付いていた?
#パラサイト
『パラサイト 半地下の家族』
ダソンはパク家の中で一番にキム家の
不審さに気付きました。ギウがパク家
にやって来たときも、弓矢を打ったし、
キム家4人のにおいが全員同じである
ことにも気付いていました🙂https://t.co/AXgvkCEi5A pic.twitter.com/JRNm9urnlS— kazz50 (@horohoro_no_mi) November 7, 2020
パク家の息子・ダソンは最初からすべてのことに気付いていたのではないでしょうか。
ダソンは匂いに敏感
ダソンはものすごく匂いに敏感です。
嗅覚に優れているダソンは、すぐさま運転手として働くギテクと家政婦(ギテクの妻)が同じ匂いがすることを指摘しています。
そしてギテクの娘・ギジョンも同じ匂いがすると言っていました。
ギウが初めてパク家に来たときは、おもちゃの弓矢を放って警戒感を表していました。
ダソンは匂いによってキム一家が自分たちとは違う世界の人間だと気付いていました。
そのように匂いに敏感なダソンは、キム家以外の人間の存在も気付いていたと思われます。
普段からモールス信号を確認していた
普段から階段の上の照明にモールス信号が点灯していたのを、ダソンは見ていたと思われます。
母のヨンギョは「あのセンサーは気まぐれね」などとのんきなことを言っていましたが、ボーイスカウトでモールス信号を習っていたダソンは気付いていたはずです。
その信号はパク社長への感謝の言葉が送られてきていましたが、ダソンにとっては腹立たしいことだったかもしれません。
モールス信号を送る人物に怯えていた
ダソンはモールス信号を送る人間に気付いていたと思われますが、その人間に怯えていたとも思えます。
その人間はダソンにとって幽霊のような存在です。
そんな人間が送ってくるモールス信号など、怖くて仕方ないので無視したとも考えられます。
富裕層と貧困層の格差を表す描写
ダソンがモールス信号を無視した理由を考察してきましたが、
結局貧困層の人間の声など富裕層に届かない
ということを表していたのではないでしょうか。
ダソンは、モールス信号を送る人間のことを理解するには幼すぎたということもあると思いますが、本能的に一線を越えることに嫌悪感を抱いたのかもしれません。
富裕層は富裕層、貧困層は貧困層でしか分かり合えないというきれいごとなしの現実を表しているようで切ない気持ちにもなります。
格差社会の深刻さを訴えている場面でもあるのではないでしょうか。
まとめ
パラサイト半地下の家族でダソンがモールス信号を無視した疑問を考察しました。
ダソンはパク家の誰よりも早くすべてに気付いていて、そして誰よりも一番俯瞰的に物事を見ていたのではないでしょうか。
この物語はすべてが伏線になっていると言っても過言ではありません。
このモールス信号自体もラストでの伏線になっていました。
どのシーンも何かしらにつながっていくという展開のおもしろさは半端ないので、ぜひ何度でも観ていただきたい映画です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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