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映画

パラサイトで石が浮くのは偽物だから?山水景石の意味や地下室に行った理由も

映画「パラサイト半地下の家族」のキム家の息子・ギウ。

友人のミニョクが留学するため、代わりに家庭教師を頼まれ引き受けます。

その時、ミニョクから石をもらったギウ。

「あの石はいったい何なの?」と疑問に思った人が多かったのではないでしょうか。

そしてその石が水に浮く場面がありました。ますます「?」ですよね。

今回は石が偽物だから浮いたのか、石にはどんな意味があったのか、そしてギウはなぜ地下室に石を持って行ったのかについてお届けします。

ギウが贈られた石(山水景石)の意味

ギウが大事にしていた石(山水景石)は友人のミニョクから贈られたものです。

その石が水に浮くという不可解な描写がありましたが、なぜ浮いたのかを知るためにはまず石の持つ意味を理解しなければなりません。

石をギウに贈ったミニョクとは

ギウの家に訪れたミニョクは、ギウに何かが入った箱を持ってきます。

その中に入っていたものが「山水景石」でした。

山水景石とは「自然の山や川などの風景を思わせる石」ということですが、水石は室内で石を鑑賞する文化のことです。

劇中ではギウがこの石を「象徴的」と言っていましたね。

ミニョクは留学することになったからと自分がしていた家庭教師の仕事をギウに任せるためにやってきました。

ミニョクはギウの友人ですが、ギウとは正反対のお金持ちで学歴もある青年。

名門大学に通いアメリカへの留学も決まっています。

おまけにキム家の前で用を足す通行人を一喝できる勇敢な部分も持ち合わせています。

まさにギウにとって「なりたい自分」がミニョクのような青年です。

ギウがミニョクになるためのモチーフ

ミニョクはギウに家庭教師という働き口と同時に石を渡しています。

「なぜ石?」と、とても不可解な場面です。

この石はギウがミニョクになるための「変身ベルト」のようなものと捉えられるのではないでしょうか。

つまり、この石はギウがミニョクになるためのモチーフとして位置づけられています。

ギウはミニョクに、なぜ予備校に行かないのか問われたとき「行かないのではなく行けないと答えていました。

貧しくて大学に行っていないギウは喉から手が出るほど欲しい学歴を、この石を持つことによって得たと思い込むんですね。

石はギウの偽物の学歴そのものとなっているのです。

ギウが大事にしていた理由

劇中でギウは何度もこの石に触れていました。

家が浸水したときも、ギウが真っ先に手に取り持ち出したものがこの石でした。

石はギウにとって夢がかなうアイテムとなっていたのでしょう。

ここぞというときに石を持っていたのは、そういった願望を叶えたいというギウの思いがあったからです。

石はギウにとって「なりたかった自分」になれる魔法の杖のようなものだったのです。

ギウの友人・ミニョクはギウの「なりたかった自分」そのもの。

ミニョクが持ってきたことで、ギウにとって石はミニョクになれた自分を表しています。

そんな大事な石は、大雨による洪水で浸水した家にありました。

ギウは家に帰ると真っ先に石を手に取るのですが、なぜか石は浮いていました。

パラサイトで石(山水景石)が浮くのは偽物だから?

パク家のアクシデントから脱出したギウたち。

半地下の家に帰るとそこは大洪水に見舞われていました。

浸水した家の中で浮く石

何もかもが水につかる中、父・ギテクは妻のメダルを手に取りギジョンは観念したようにトイレの上でタバコを吸います。

その時ギウが手に取ったものが石だったのですが、その石は水の中で浮いていました。

もしかして石は偽物で中は空洞だったのか?とも思えます。

が、劇中の冒頭で石を持ってきたミニョクが「重い」という言葉を発しています。

なので石そのものが偽物だったということはなさそうです。

ではなぜ浮いていたのでしょうか。

石が浮くことのメッセージとは

石が浮いていたことで伝わってきたメッセージは、

ギウが得たと思い込んでいたなりたかった自分はすべて偽り

ということを伝えていると思えました。

  • 石を持ってミニョクのように家の前で用を足す通行人を追い払う
  • ダヘが大学に入ったら付き合うと家族に話す
  • ピンチの時にミニョクならどうしたかな?と言った

このようにミニョクのように振舞うギウ。

ギウにとってなりたかった自分はミニョクですが、ミニョクのように振舞ってもミニョクにはなれない。

所詮ミニョクはミニョクでギウはギウなんだと…

つまり中身は空っぽだという強烈な喩えだと思います。

そのことにギウが気づいた瞬間なのか、気づけと言う暗示だったのかそのどちらかではないでしょうか。

ギウは避難所の体育館で父・ギテクに「すみません。全部責任取ります」と石を抱えながら言います。

石が自分に「へばりつく」「ついてくる」といったギウの言葉から、石への執着から逃れようと葛藤するギウの姿も浮かび上がってきます。

そしてギウは翌日、ダソンの誕生日パーティーの日にその石を持って地下室に行くのです。

ギウはなぜ石を地下室に持って行った?

大雨の翌日はきれいに晴れわたり、避難所で過ごすキム家のことなど微塵も知らないパク家は優雅にダソンの誕生日パーティーを開きます。

当然キム一家も呼ばれるわけですが、ギウはその日にミニョクからもらった石を持って地下室に向かおうとします。

そこには元家政婦のムングァンとその夫のグンセがいるのですが…

グンセたちを殺そうとした

ギウの願望はお金持ちになって今の状況から抜け出しミニョクのようになること。

そのためにはすべてを知られてしまったグンセたちが邪魔になります。

なのでギウはグンセたちを殺そうと地下室に向かったと考えていいかもしれません。

そこには石を持つことによってミニョクのような勇敢さを得ていたのでしょう。

地下の家族を救おうとした

半面、地下の家族を救おうとしたとも考えられます。

石を持つギウはミニョクだと思い込んでいます。

ミニョクは恵まれているにも関わらず、ギウと友達でいてくれ仕事を与え石までプレゼントしてくれました。

そんなミニョクのように、自分たちより恵まれないグンセたちを救おうとしたのかもしれません。

ところがその石はギウの手から滑り落ちてしまいます。

石にしっぺ返しをくらう

ギウは石を落とすのですが、それはミニョクという鎧が剥がれ落ちた瞬間でもありました。

そしてギウはその石で頭を殴られることに。

石にすがりすぎたギウは最後、その石にしっぺ返しをくらうことになってしまいました。

ギウにとって石は、明と暗どちらにもなりえるものだったのです。

最後ギウは石を川に返しますが、それは石に頼らずに生きていくというギウの決意の表われでした。

それは父を救うために大金を稼ぐことを計画したからです。

偽物の学歴やなりたかったミニョク像はもういらない。

学歴云々よりもとにかくお金を稼ぐことだけを考えると…

お金を稼いで父を救うために家を買う

そう計画したギウの、そうなれたような描写から戻る半地下の部屋。

そこに現実の厳しさや韓国の格差社会の問題が垣間見れ、この映画の訴えたいことが凝縮されていると思いました。

まとめ

パラサイトで石(山水景石)が浮くのは偽物だからなのか、その意味やギウが地下室に持って行った理由についてお届けしました。

石という不可解なアイテムが表す意味はあまりにも深すぎて簡単には説明できません。

ですが、ギウにとって石はなりたかった自分そのものでありすがっていたわけですが、そのようなものにすがっても何も解決されないというメッセージだったことは確かなようです。

観れば観るほど奥が深まっていくこの作品は、何度観ても新たな発見があり人によって意見も分かれる作品です。

ぜひ、何度かご覧になってみてください。

自分なりの解釈がたくさん生まれてきてとても楽しめると思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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