映画「パラサイト半地下の家族」の金持ち一家の息子・ダソンは落ち着きがなく自由奔放な性格。
母親のヨンギョは「じっとしていられない子」と呆れながらも甘やかし放題。
ところが絵の先生としてやってきたギジョン(ジェシカ)に丁寧にお辞儀をするのです。
今回は会って間もないギジョンにダソンはなぜお辞儀をしたのか、ギジョンがタバコを吸うシーンから見えてきた人物像から考察します。
目次
ギジョンにダソンがお辞儀をした理由
『パラサイト』モノクロver.含めて3回観て、パクソダムちゃんのダソン役の子へのヌナ感?が地味に好きなんですけどだれかわかってください、、🥺
タバコ吸ってるシーンに次いでマニアックかもだけどダソンを膝にのせて絵描かせてるシーンなんか好きなんです#Parasite #기생충 #パラサイト #パクソダム pic.twitter.com/IFo7Tx6cpc
— 韓ドラ@ㄹㅇ (@9xd8j1uDNgMlpnd) June 29, 2020
自由奔放で母の言うことも聞かないダソンですが、ギジョンに部屋に戻るよう言われると丁寧にお辞儀をしました。
母のヨンギョも感動するほどの行動でしたが、なぜ会ったばかりのギジョンにそのように丁寧なお辞儀をしたのでしょうか。
ギジョンにすぐなついたダソン
『パラサイト』の2家族(+1家族)の中で男女の恋愛や結婚の枠から離れているのって、ギジョンとダソンだけで、ここにLGBTQやフェミニズムの文脈もあるかな?と思っていたんだけど、詳しく書いている人いるかな?『はちどり』について調べてて思い出しました。 pic.twitter.com/NPX4ADGoaz
— Marr C. Snow / 島崎ひろき (@simaki0a0p) July 16, 2020
ダソンがギジョンにお辞儀をしたのは、あっという間にギジョンにうまく手なずけられたからです。
つまりギジョンにすぐなついたということです。
兄のギウがパク家に来たときは矢を放ち警戒感を表していたダソン。
ところがギジョンにはお辞儀をするまでになっていました。
初めて授業をするにあたり見学したいという母親を締め出したギジョン。
部屋の中でどうやってダソンを手なずけたのか、母親のヨンギョはもちろんのこと視聴者にも謎の部分でした。
母・ヨンギョはスキンシップしない
ダソンはまだまだお母さんに甘えたい年頃のはずです。
ところが母親のヨンギョはダソンに一切触れないんですね。
頭をなでたり抱きしめたりってことが全くない。
インディアンに凝ってるからとわざわざアメリカからおもちゃの弓矢を取り寄せるなど、欲しいものを与えていますが、子どもが求めるところはそこじゃないってことに気が付いていない様子。
そこをいち早くギジョンは見抜いたのではないかと思われます。
ギジョンが母性を満たした
パラサイト、ギジョン(ジェシカ)はダソンをどうやって手懐けたのか一切説明が無いのモヤモヤする。つい下世話な想像をしてしまうね。 pic.twitter.com/jZrmRxFwE2
— あかへる🐽 (@oimaz) February 20, 2020
母親に触れてもらえないダソンは母性に飢えていたと思われます。
そこに気が付いたギジョンは、ダソンが求める母性を何らかの方法で満たしたのではないでしょうか。
劇中でダソンが絵を描くシーンがありますが、ギジョンのひざの上に座っているんですよね。
それって一般のお母さんと息子のありがちな光景ですが、ダソンにはそういった経験がなかったわけです。
きっと、そんな風に甘えたいと思い求めていた母性をギジョンが与えたのではないかと思います。
ギジョンがダソンを叱ったのでは?
韓国は儒教の国で今でも年功序列が重んじられています。
そういった文化をギジョンはダソンに厳しく教えたのではないでしょうか。
母ヨンギョはダソンを真剣に叱ることがありませんでした。
ところが絵の先生としてやってきたギジョンは、真剣にダソンを叱ったのではないかと思いました。
ダソンにはきちんと叱ってくれる大人が必要だったのです。
きちんと叱った上で次は愛情をいっぱい与える。
そんな風にダソンが求める母親像を満たしていったギジョンに信頼を寄せた結果、丁寧にお辞儀をするというところまでなったのだと思います。
母親を締め出したのは、ダソンを叱ることをあの母親はきっと理解しないということがわかっていたからではないでしょうか。
そこで騒ぎ立てられて計画がおじゃんになることは避けたかったはずですからね。
このようにギジョンはうまくダソンを懐柔できたわけですが、それはギジョンの賢さと物怖じしない男前な性格が功をなした結果ではと思います。
その人物像はギジョンがタバコを吸うシーンに顕著に表れています。
タバコを吸うシーンからわかるギジョンの人物像
ギジョンがタバコを吸うシーンは二度ほどありました。
ネットカフェでくわえタバコ
パラサイト 半地下の家族見てきた
めっちゃ面白い
家族の仲が良くて楽しいし羨ましい
妹のギジョン役のパクソダムさんが好き過ぎた(´ω`)
タバコの吸い方カッコイイ pic.twitter.com/fGQgtuhpyW— とりにく×ちゅうげん (@abc1224andou) January 12, 2020
ギウが金持ち一家の家庭教師の仕事をするために必要なソウル大学在籍証明書をネットカフェで偽造するギジョン。
父・ギテクが「ソウル大学に文書偽造学科があれば主席入学だ」というほどの腕前です。
このようなことがサクサクできる様はギジョンの能力の高さを表しています。
その時のギジョンはくわえタバコで作業し、手に持ったタバコからは灰もこぼれます。
店員に「禁煙ですよ!」と注意されても動揺することなく店員が下げようとした辛ラーメンのカップを灰皿にしてしまう…
兄のギウが代わりに店員に頭を下げるシーンが印象的でした。
まぁあまり褒められた光景ではありませんが、ギジョンの物怖じしないちょっとヒールな部分が垣間見れた場面でしたね。
そんなヒールな部分がダソンがお辞儀をするまでにもっていけた要因ではないでしょうか。
大雨で浸水した家のトイレの上で吸ったタバコ
「パラサイト 半地下の家族」
見た。長女ギジョンの口癖が「ち!クソ!」なのが自分を見てるみたいでだんだん可愛く思えたし、皆言うてるけどトイレのタバコのシーンは美し過ぎた。 pic.twitter.com/cG7kg1o4Rv
— 徳永由希 (とくなが ゆうき) (@tokunagayu_ki) February 8, 2020
パク家が息子ダソンの誕生日にキャンプに出掛け、誰もいなくなった豪邸で宴会するキム一家。
ところが大雨のせいでパク一家が帰ってきてしまいます。
その後いろいろなアクシデントに見舞われながらもパク家を脱出したギジョンたち。
大雨の中、高台にあるパク家から坂や階段を下り自分たちの家に戻りますが、そこは浸水しトイレからは汚水が噴き出す始末。
そんな中ギジョンはトイレの上に座り隠していたタバコを取り出し一服するのです。
父は妻のメダル、兄は友人からもらった石を持ち出すさなかギジョンは何か観念したようにタバコを吸う…
そこにも物怖じしないギジョンの性格が表れています。
- どうしようもなくなったときはジタバタしても仕方ない
- このまま死んでもそれは運命だ
みたいなやるせなさの中にも潔さや見切る決断力のようなものを感じます。
でも半地下の家特有の高所にあるトイレ、即ち一番安全な場所にいるという冷静な判断ができるあたりにギジョンの賢さが表れていますよね。
このようにタバコを吸うシーンからギジョンの人物像が浮かび上がってきます。
ギジョンは賢く知的レベルが高いですよね。
ダソンを懐柔できる手段を瞬時に見抜き、どうしたら母親のヨンギョにも気に入られるかわかっている様は、浸水した部屋の唯一安全な場所のトイレの上でタバコを吸うギジョンの姿と重なるのは私だけでしょうか。
まとめ
パラサイトでギジョンにダソンがお辞儀した理由を、ギジョンがタバコを吸うシーンから見えてきた人物像から考察してみました。
この映画ではギジョンの存在がとても大きかったですよね。
ダソンがギジョンにお辞儀をするという一見何事もないような場面。
そんな一場面にもたくさんのメッセージが隠されているこの映画はほんとうに奥が深いです。
観る度に解釈が深まっていきますので、何度か観ていただきたい作品ですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今なら無料でお試し!「ゲオ宅配レンタル」